別居中の夫婦間における子供の監護者と子の連れ去りの対応

弁護士の山田です。

 

今日は近年増加している夫婦関係の問題について説明いたします。

 

1 別居中の夫婦間で問題となる子供の監護のケース

 

離婚は成立していないが、離婚を前提にして別居がされた場合に婚姻関係が続いている場合があります。

 

この夫婦間に未成年の子供がいる場合、主に子供を監護する親をどちらにするか決める必要が出てくることがあります。

 

そこで、今回は、①別居中の夫婦間における子供の監護者の決定方法、②離婚していないが別居中の夫婦間において一方の親が子供を連れ去った場合の対応方法について、ご説明いたします。

 

2 別居中の夫婦間における親権者・監護権者

 

子供の監護については、監護教育権(民法820条)として、親権の一内容として位置づけられます。

 

未成年の子については父母の親権に服するので、原則として、父母の婚姻中、親権は父母が共同して行使することになります(民法818条1号)。

そのため、別居の夫婦の場合でも、婚姻関係が継続している場合には、子供に対する監護権については父母が共同して行使することになります。

 

3 別居中の夫婦間での監護者の決定をする場合がある

 

しかしながら、別居の場合の事実上の子どもに対する監護者の取り決めをする必要がある場合も少なくありません。

 

夫婦間で監護者の取り決めの合意がまとまる場合には、その合意に基づいて監護者を取り決めることで足ります。

 

しかしながら、監護者の合意がまとまらない場合には、監護者の指定を求める審判(家事39条・別表2第3項)により、監護者を定めることになります。

 

4 別居中の夫婦での子供の連れ去り

 

すでに述べたとおり、別居の夫婦の場合でも、婚姻関係が継続している場合には、子供に対する監護権については父母が共同して行使することになります。

 

それでは、別居中の夫婦間において、一方の親が、他方の親の下にいる子供を勝手に連れ去ってしまった場合、連れ去った親に対して子供の引き渡しを求めることはできないのでしょうか。

 

結論から言えば、法的手続きにより、子の監護権者の指定及び子の引き渡しを求めることができます。

 

5 子の監護権者の指定及び子の引き渡しを求める法的手続き

 

子の監護権者の指定及び子の引き渡しは、「子の監護に関する処分」にあたり、審判事項とされますので(家事39条・別表第3項)、調停又は審判を申し立てることになります。

 

また、子の引き渡しを求める手続きをとる場合、それが緊急を要する場合も少なくありません。

 

そこで、このような場合には、調停又は審判の確定前に、「婚姻等に関する審判事件を本案とする保全処分」として、子の引き渡しの仮処分を申し立てることも可能です。